こちらの記事はPart2にあたる記事なので、Part1の記事を見ていない方はこちらから御覧ください。
それでは早速正しい発声の仕方について書いていきます。
正しい呼吸法を身につけろ!
基礎中の基礎の部分になります。
呼吸が出来ないと声が出ません。いや、生きていけません! という冗談は置いといて。
みなさん普通に呼吸をしてると思いますが、正しい呼吸というのは意外と難しいものです。
「正しい呼吸法」なんてネットで調べてみれば、
腹式呼吸というワードがよく出て来ると思います。
でも、みなさん間違った腹式呼吸をしがちなんですよ。
腹式呼吸というのを分かりやすい例で説明すると、
寝転がってる状態で息を吐いたり吸ったりして、お腹が膨れたりしぼんだりしてる時が腹式呼吸である、と大体こんな感じで説明されると思います。
今までこの感覚を意識して呼吸していた人は、今すぐ忘れてください!!
100%間違ってはいないのですが、
これは腹式呼吸を全く知らない人に簡単に説明するために出来たもので、本質はちょっと違うんですよね。
そもそも、プロのボーカリストがお腹を膨らませたりしぼませたりして歌っているのを見たことありますか?
ライブ映像で上半身裸で歌っていたり、へそ出しで歌ってる映像を見てみると分かるのですが、ほとんどお腹は動いてないんですよね。
吐くだけ呼吸
書きながら適当に思いついたので吐くだけ呼吸って名付けます。
まず寝転がっている状態ではやりにくいので、座るか立った状態になってください。
そこで思いっきり息を吐いてください。口で吐いても鼻で吐いてもいいです。
吐ききれないくらいまで吐いたら、力を抜きましょう。
そうすると息を吐くために縮んでいた肺の筋肉が元の状態に戻ろうとするんですね。
そうすると息を吸おうとしなくても自然に肺に空気が入ってくるんです。
みなさんは自然に肺に呼吸が入ったでしょうか?
これが正しい腹式呼吸です!
息を吸おうとしなくても、吐くだけで自然に息が吸えるんです。
これがどう良いのかと言うと、呼吸するエネルギーが半分で済むわけなんですよ。
普通なら、息を吸うエネルギーと吐くエネルギーで呼吸が成り立つのですが、
正しい腹式呼吸なら、息を吐くエネルギーだけで呼吸が出来るんです。
注意なんですが、実際の歌唱で息を吐ききってしまうと、最後の方で息が足りなくなって歌い切れないので気をつけましょう。
とりあえず、これだけでだいぶ歌うのが楽になるはずです。
しかし、このままではお腹が膨らんだりしぼんだりするので一工夫しないといけません。
背中に息を入れろ!
こいつ何言ってんだ? 背中に息って入るの? そしたら腹式呼吸じゃなくて背式呼吸じゃね?
って思う人がいると思います。
わかります。僕も昔はそう思ってました。
ちゃんと出来ます。背中に息、入ります。
厳密に言うと背中と脇腹、後ろを全体的に膨らませる感じです。
まず前屈した状態(体をくの字)になります。
この状態で呼吸するとお腹が膨らまないので強制的に背中と脇腹が膨らむと思います。
この感覚を忘れないでください!
姿勢を正した時にこれが出来ればお腹がペコペコ動きませんし、
なにより支えが安定するんですよね。
いい発声には、脱力、支え、フォーム(姿勢)が大事なんです!
これが出来ないっていう人は、体が硬くてうまく体が動かせてない可能性が高いです。
体が柔らかくなる方法をこちらの記事で紹介しているので、見ていない人はこちらから見ていただけると
後々楽になってくると思います!
こちらから(準備中)
コツとしては腰をアヒルのように後ろに反らさないことです。
腰を前に出してあげて、若干重心をかかとにかけてあげると姿勢も良くなって息が後ろ側に入りやすくなります。
歌うときの正しい姿勢
体を綺麗に響かせるには姿勢(フォーム)が大事になってきます。
猫背の人やストレートネックの人はこれを改善するだけでもだいぶマシになります。
上半身編
まずは上から順に説明していきましょう。
猫背の人やストレートネックの人、最近では一人一台が当たり前になってきたスマートフォンの影響で、視線が下に向いてしまい、首が前に落ちてしまう人が増えています。
この前に落ちてしまった首を、少し後ろに引っ張って上げて真っ直ぐにしてあげましょう。
こうしてあげると気道もまっすぐになり息も吸いやすくなる。
そして首に力みが入りにくくなります。
ちなみに猫背の人の姿勢が治ると、暗い雰囲気が一気に明るくなって印象が良くなりますよ!
次、
肩が内側に入ってるしぼんでるような人は、胸はちゃんと張ってあげましょう。
つまりは猫背になってる人のことですね。
この時、肩甲骨を寄せるのを意識してあげると声が通りやすくなります。
そして腰は、腹式呼吸の時にも少し触れましたが、アヒルのように突き出してはダメです。
腰を少し前に出して、背中、脇腹に息が入るように、
そして背中と首、頭に一本の棒が入ってるように、体が一本になるように、真っ直ぐにしてあげましょう。
上半身はこの感じをリラックスした状態で保ちましょう。
出来ない、難しい、力が入ってしまうという人は体が硬い可能性が高いです。
下半身編
下半身のフォームは、歌うのに必要な支えを作る上でとても大事なものになります。
上半身の姿勢を作っている段階で体重がつま先に来ている人は
重心をかかとに持っていってあげましょう。
後ろに倒れそうになると思いますが少し踏ん張ってみてください。
この時太ももに力が入ってしまう人は、丹田のインナーマッスルが足りてないです。
理想としては、太ももにはほとんど力が入ってないほうが、丹田のインナーマッスルに負荷がかかって、
響きのある高い声、いい声が出せるようになります。
支えのイメージとしては、空気椅子をしてる時に少し似ていて、
下半身はしっかりキープ、
(空気椅子でも太ももには力をかけず、丹田に負荷をかけてあげる)
そして上半身は正しい姿勢をキープ&リラックスした状態、をやってみると感覚がわかりやすいかもしれないです。
実際に発声してみよう
この姿勢で実際に脱力して歌ってみてください。
多分僕と同じ経験をしたと思うんですけど、恐ろしいほど全然歌えない……はず。
なんでそんな上手く歌えないやつ教えてんだよ!ってなるかもしれないですけど、
これはあれですよ。
高く飛び上がるには一度しゃがまないといけない、ってやつです。
じゃなくて、
普段歌ってる時の姿勢と違いすぎて、体が上手く使えないだけなんです。
体の使い方がわかってくると、この姿勢じゃないと声がしっかり出なくなります。
プロを見るとそんなきちんとした姿勢で歌ってる人はあまり見たことないと思います。
極論を言うと、体の使い方がわかっていれば、
走ってても、寝転がってても、踊りながらでもきちんとした声が出るので、
この姿勢作りはその体を使う感覚を覚えるための練習と言っても過言ではありません。
ちなみに重心が後ろにあるので、声も後ろに響かせるイメージで歌いましょう。
前を向きながらでも後ろにいる人に声を届けるイメージ。
喉を開ける
よく、あくびの喉や、喉を開くとか、色々言われます。
これも発声ではよく言われるポイントの1つですね。
しかし、これは実際あんまり気にしなくていいです。
まあ、喉を開くに越したことはないのですが、最初の段階で喉を開くのを気にしながら歌っていると、支えを下に向けて作らないと行けないのが、上に上がってしまって脱力できない、苦しくなる、喉に力みが入る、などの弊害が生まれてしまうのであまりよろしくないんですね。
理想としては勝手に喉が開く、軟口蓋(のどちんこ)が上がる状態に持っていきたいんですね。
これは丹田周りのインナーマッスルと、肩甲骨周りの筋肉が柔らかくなると、
意識しなくても勝手に開く、持ち上がるのであまり考えなくていいです。
喉を開くとどう良くなるかというと、声が詰まる感じがなくなる、声のトーンが上がる。
喉が開いてないと、
少し音楽に詳しい人なら分かるかと思いますが、コンプレッサーをかけたような圧縮されたような声になるんですよね。
しかも喉に負荷がかかりすぎてすぐに枯れてしまう。
さっき言ったように丹田周りのインナーマッスルと、肩甲骨周りの筋肉が柔らかい人は、声のトーンが高いんですよ。
学生であれば周りにいる運動部の人の声なんか聞いてみると、ハキハキしててよく通る声だな、と思うはずです。
察しのいい人は気づくかもしれません。
運動してる人って体が出来てるので歌が上手いんですよね。
体幹が鍛えられていたり、体が柔らかかったりして。
自分は昔、軽音楽部でボーカルをしてたので歌に多少自信があったのですが、全然運動なんてしてませんでしたから、
運動部の子と一緒にカラオケ行った時はみんな上手くて悔しい思いをしたもんです……。
まとめ
話が逸れましたが、
僕が言いたいのは、ボイトレだからといって声だけ出していればいいもんじゃないってことを、
声を大にして言いたいです。
自分で書いといてなんですが、人に感覚を伝えたり、知識を教えるって難しいものですね。
しかも歌ってすごく難しくて、僕が教える以外にも、
知識や感覚、気付きがいるので、結局自分の脳内フィルターで知識、感覚、気付きを自分用に変換して、身につけていかないと上手く行かないんです。
ただ、言われたとおりの練習メニューをこなすだけじゃなく、自分の脳みそで考えて、このメニューはどこの筋肉に効果があるのか、どういう意図でやっているか、
なんとなくではなく、そういうふうに考えてやっていかないと、時間が無駄になってしまうのかなーと。
引き続き全国のボーカリストのためになる情報を発信していくので、良ければご覧になってください。
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