【解説】ネオV系四天王 シド マオの歌い方 【歌声分析】

【解説】ネオV系四天王 シド マオの歌い方 【歌声分析】

2000年代から新しく登場した、

『ネオビジュアル系』


それを代表するバンド

『Alice Nine』や『the GazettE』『Nightmare』『シド』


その中から、今回は『シド』

結成から15周年。デビューから10年。


アニメのタイアップ、

黒執事や、鋼の錬金術師、BLEACH、マギ、等で、

名前を知っている方も多くいるんじゃないでしょうか。


未だにカラオケランキングに名前が登場していて、

人気のあるロックバンドですよね。


今回は、

V系と言われながらも、

歌や演奏、楽曲のレベルが高いと言われている、

シドボーカル、マオさんの歌声分析をしたいと思います。


ちなみにこのブログの管理人ちゃおは、

シドの影響でバンドを始めました(笑)


なので結構濃い話が出来るんじゃないかと思います。

2003年の結成から遡って、

年代別で話そうかと思います。


結成初期 喪服時代

シド喪服.jpeg

結成初期のシドは喪服時代と言われていて、

名前の通り、喪服を衣装にして活動していました。


曲のコンセプトは昭和の歌謡曲をイメージしてるらしいです。


シドより以前のバンドはあまり人気が出なかったようですが、

シドになってからは人気がめちゃくちゃ出始めて、

1stアルバム『憐哀』はインディーズランキングで1位になったみたいです。


今活躍しているシドを見ると、とても同じバンドだとは思えませんね(笑)


自主制作での音源化しかされていないので、とても貴重なライブ映像かと思います。

(2014年の横浜スタジアムでやってくれた時はめちゃくちゃテンション上がった)


マオさんには整形疑惑が出ているのは置いておいて、

この曲はシャウトが多いのが特徴ですね。

ただ、喉を締めて歌っているので、

長時間シャウトすると結構きついんじゃないかと思います。

(Capsuleやプロポーズ、右手のスプーンと初恋とナイフ、Sでは一部シャウトが入ってます)


歌声に力みが結構入っていますが、最高音がhiAあるので、

元々の地声が結構高めなんだと思います。


ちなみに、

今ではマオさんがシドの曲を全部(循環を除いて)作詞をしていますが、

作詞を始めたのはシドを組んでからが初めてらしいです。

非公開なので年齢は分かりませんが、結構遅めの作詞デビューだったみたいですね。


インディーズ時代

sweet.jpeg

2005年の2ndアルバム出す前あたりからは、

もう喪服は着なくなりました。


昭和の歌謡曲感は残しつつ、徐々にPopになっていきましたね。

マオさんの顔も段々整ってきました(笑)


4thアルバムの『センチメンタルマキアート』を出した頃は、

相当人気だったみたいで、インディーズバンドながら、

国立代々木競技場第一体育館でワンマンライブを満員に出来るほどです。

(キャパ13000人程)


多分武道館よりキャパが大きいかも。


『御手紙』

最高音はmid2G#

歌は上手いですが、まだ喉で発声してる感じはあります。


『誘感コレクション』

この曲めっちゃかっこいい!


最初のコンガとアコギだけの伴奏の所は、ベースがないので、

ベースの明希くんはクネクネ踊ってるんですよ!


めっちゃエロい!


っていうのはさておいて、

(2:27〜)単純でふとうめいな〜、

(2:40〜)抱かれるたび〜、

女を恥じ〜、の黒字部分がhiC


ここが結構ギリギリの地声のラインかなと思います。

ミックスボイスでもないのにここまで高い声出す人は、

あまりいないんじゃないかと思います。


余談。

サビが、抱かれるたびに〜、で始まるのですが、

2番、ラスサビで、2回転調していて、

抱かれる毎に気分が盛り上がっているのが表現出来ていて、

よく出来ているな〜と思いました(笑)


センチメンタルマキアート、めっちゃ良い曲多いですね。

メジャーデビュー後

シド.jpg

個人的には一番の全盛期だと思っています。

(ルックスも歌唱力的にも)


アニメのタイアップがたくさんあって、それがどれも作品に寄り添いつつも、

シドらしさが出ていて良い曲なんですよね〜。


鋼の錬金術師で有名になった『嘘』


音域はmid2A〜hiA#と全体的に高めのキーになっていますが、

1オクターブちょっとの音域で出来ているので、

女性の場合、低すぎて歌えない、という事が無く歌えるでしょう。


それと、使う音数が少ないほどキャッチーなフレーズになりやすいので、

そういう意味で狙って作ったとしたら頭が良いですね。


一応高めのキーではありますが、歌えない事はない音域ですよね。

でもこれが個人的にはすごく歌いにくいんですよね。


本人が地声で歌いきっている曲なので、

自分も地声で歌わないとしっくりこないと言いますか、

ミックスボイスで歌うとなんか雰囲気が変わっちゃうんですよね。

スピッツの楓みたいに、

音域は低いけど、本人がミックスボイスで歌ってるから、

地声で張り上げちゃうと曲の雰囲気が変わっちゃうみたいな。


その逆パターンが起きているんですよね。

なので地声でずっとhi音域を歌い上げなくちゃいけないんですよね。


これがとてもしんどい。

分かる人いるかな……?



(1:06〜)全部わかってたんだ〜、の最後の部分のように、

細かいビブラートがちょくちょくこの曲には入っています。


細かいビブラートはいわゆる、ちりめんビブラートと呼ばれていて、

喉にかけて音揺らしているのが特徴です。

GAKCTさんや中島みゆきさんとかがよく使っているイメージがあります。


やる人によっては、ただただ音程が悪く聞こえてしまったり、

声が震えているように聞こえるので注意しましょう。


そもそもお腹から声が出ている人は、

横隔膜を使った、揺れが深いビブラートが出せるので、

そちらの方が安定します。


なので、ちりめんビブラート自体、

ボイトレ的な観点からすると、あまり良しとされていない感じはあります。


メジャーデビュー曲の『モノクロのキス』

黒執事のOPでしたね。

(3:30〜)ひきょうなスで〜、の黒字の部分がhiCです。

少しキツそうですが出てますね。


先程の誘感コレクションでもそうでしたが、

マオさんの最高地声音域はhiC程度だと思われます。


シドのシャウト曲の中の1つ『Capsule』


音域が結構高くて、

(3:00〜)hiBのロングトーン。


地声でもそれだけ出ちゃうんですね…^^;って感じです。


ロングトーンの最後、声がひっくり返って裏声になるじゃないですか?

語尾が上がる歌い方、ヒーカップ唱法って言うんですけど、

喉締めの地声で張り上げて歌ってるところで、語尾を裏声に切り替えると、

自然にキュルッと上がります(笑)

喉を脱力させる感じに近いですかね。


B’zの稲葉さんとか、

L’Arc-en-Cielのhydeさんがよく多用しています。

マオさんもその1人です。


ボイトレ通い始めてから

今まで独学で歌ってきたのですが、

このまま独学で歌うのは勿体無い、ということになり、

2010年ごろに、

りょんりょん先生のところでボイストレーニングに通うことになります。


りょんりょん先生はこの業界だととても有名なボイストレーナーで、

UVERworldのTAKUYA∞さんや、superfly、flumpoolの山村さん、REOLさん、など、

一度は聞いたことのあるアーティストのボイトレを担当してますよ!


そして、

このボイトレを始めてからのマオさんの成長度合いが半端じゃないんですよ!


先程も聞いてもらった『嘘』なのですが、

これがボイトレを始めてからの声です。

(2011年のdead stockツアー)


第一声から声の厚みが全然違うのが分かるはずです。

お腹から声が出るようになった感じですね。


というか、声の伸びがエグい。

まだ喉でかけてはいますが、ちりめんだったビブラートも、

割と深いビブラートになりました。


(3:10〜の)ロングトーンも以前より厚みが感じられます。

語尾が上がるヒーカップ唱法も、前より綺麗ですね。

動きを見ると、ちゃんと腰を重心にして歌えていて良いですね


こちらも先程聞いてもらった

『モノクロのキス』のボイトレに通い始めてからのやつです。


(1:04〜)サビのhiA#の所も楽ちんに出せていますね。

(3:32〜)ラスサビのhiCの所も余裕を持って出せています。

ボイトレってすごいですね(笑)


BLEACHのOPにもなった『乱舞のメロディ』

めっちゃかっこいいんで見てほしいです。

それだけ(笑)

『sleep』

これがめちゃくちゃ上手くて

(1:07〜)ないとわかっるけど〜、の黒字部分がhiB

いきなり1オクターブ上とかに飛ばない限り、

hiBくらいならすんなり出ますね。


全体的にキーがとても高い。

サビ全般がミックスボイスで歌っている様に聞こえますね。


そのせいか、

地声を張り上げた時になりがちだったヒーカップ唱法があまり出ていないです。


(4:27〜)ここのロングトーンも非常に安定しており、

ビブラートも深いものになっています。


若干喉からかけている気もしますが、

お腹から声を出すようになったからか、細かいビブラートではないですね。


ボイトレを始めてから

大嫌いだったランニングも始めたり、

禁煙をしたり、

結構努力したみたいです。


マオ ランニング.jpg

(結構お高いランニングマシンらしい)

りょんりょん先生の本も出ているので、是非オススメです。

メニエール病になってから

2013年ごろからメニエール病という病気にかかってしまいました。


メニエール病とは

目眩や吐き気、耳鳴りが発作的に繰り返してしまう病気だそうです。


ベストアルバムを出した直後のタイミングだったので、

夏の野外ツアーを控えていました。


ツアー中は体調が落ち着いていたのですが、

ライブ前日にウィルス性胃腸炎になってしまい、

40度熱を超える中でライブを行い、

無理をした結果『声帯ポーリプ』になってしまったようです。


ポリープ切除の手術は無事成功したのですが、

元通りの声には戻らず……。


2014年以降はずっと喉の調子が良くないですね。

2014年末にシドライブを見に行ったのですが、

全然声が出ていなくて、聞いてるこっちがとても悲しくなっちゃいましたね。


『sleep』も歌ってくれたのですが、サビは終始声が掠れて裏声も出ない状態……。


それでも諦めず、ステージに堂々と立っている姿に涙してしまいました。


声が出にくくなったのもあってか、

初期の音域の低い曲を良くやってくれて、

それはそれで盛り上がって楽しかったです。


2014年ごろの『夏恋』

明らかに調子が良くないですよね。


声帯が全然鳴ってくれない感じ。

高いキーになると出ない部分もあったり、張り上げないとキツかったり、

ロングトーンが出せなかったり……。


あれだけ歌が上手かったのもあってショックが大きいです。

2014年以降のライブ映像がほとんど見つからないのもこのせいでしょうか。


ただ、最近は回復してきたのか、

2019年に横浜アリーナでワンマンライブを成功させています。


マオさんがこういう状況になりながらも、応援してくれるファンはとても暖かいですね。

愛があります


まとめ

マオさんの喉の調子が悪くなってからはあまりシドを追っていなかったので、

詳しく書けませんでした……。


ただ、それでも結構長い事書いてしまったのですが、

どうだったでしょうか。


書いてみて、改ためてボイトレの凄さが分かるような記事になりました。

それと、体調が悪い時は無理をしないことが大事ですね。


あとは、歌の良し悪しはハイトーンだけでは無いよ!っていうのを言いたいですね(笑)

アーティスト分析カテゴリの最新記事